きまぐれニホイチ!-こまぎれ自転車日本一周旅

休日を利用して気長に細切れの自転車日本1周旅やってます。テントをかついでの野宿スタイルではなく、ビジネスホテルを利用したゆるめの旅記録です。

ニホイチ1日目(旅1:大阪ー東京編DAY1) 大阪梅田ー愛知名古屋

 

いつの頃からか大阪から東京へ自転車で行ってみたいとずっと思っていた。
実際、テレビで有名人がしたり、友人が何日かかけてチャレンジしたりするのを見たりすると、とても羨ましかった。

でも、なぜか自分が行くことはないなと勝手に決めていた。

そんな感じだったのだが、今年の5月、網膜剥離という病気になった。

今までの自分は入院もしたこともなければ、手術もしたことがなかった。
そういう人間は大概そうだが、病気や怪我は自分には関係ないと思って生きている。
だから、目に違和感があると思って眼医者に行った時に「網膜剥離」と診断された時はたいそう驚いた。


そして、手術が終わって、しばらく病院のベッドで安静にしている時にこう思った。

「もう、43歳。いつまでも若いと思っていたけど、どうもこれはあっという間に歳を取りそうだ。

いつかやろうと思っていることは、さっさとやってしまおう。」

そしていくつかあるいつかやろうの中で真っ先に思い浮かんだのが、大阪から東京まで自転車で行くことだった。

幸い2年前トライアスロンを友人に勧められて、ロードバイクを購入していた。
でも、スイムが苦手なのと、体力に不安があるのでどうもトライアスロンを続けるのに疑問を感じていた。でも、せっかく買ったロードバイクがもったない。
この旅は、このロードバイクを生かすことにもなる。

カレンダーを見ると10月に土日月の3連休がある。
その前日の金曜日に休みをとってトータル4日間でやってみようと決めた。

大丈夫、世の中には1日や2日で東京ー大阪を自転車でいく人が何人もいる。
体力に自信のない43歳のおっさんでも4日あればなんとかなるさ。

そして退院してからの5ヶ月間は、毎日このことばかりを考え、準備し、楽しみにしていた。
その間、ビワイチ(琵琶湖1週)を2回、アワイチ(淡路島を一周)を1回して、1日に100キロ以上を自転車で走る練習にも励んだ。


出発前の計画的にはこんな感じにした(あくまで予定)

・初日(1日5府県!)大阪梅田~京都~琵琶湖~鈴鹿峠~関宿~名古屋


・2日目(太平洋満喫!)名古屋~豊橋浜名湖御前崎~焼津


・3日目(富士山満喫&箱根越え!)焼津~大崩海岸~富士~箱根~芦ノ湖~小田原

・最終日(ゴールゆるーく京浜!)小田原~江ノ島~鎌倉~横浜~東京タワー~東京日本橋

 
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日間あるので、それなりに東海道を観光しながら行くつもりでいる。

 

大阪ー京都ー滋賀ー三重県亀山

当日前夜は楽しみすぎてあまり眠れなかった。

5時前に起きて、出発。

まずは夜明け前の十三大橋を渡る。
これからどんな旅が始まるのか、最高にワクワクした気分。
本当に子供に戻った気分だ。

 

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とても静かな朝。

自宅近くのいつもの見慣れた景色だが、これから遠くまで自転車でいくという高揚感からか、なんだかいつもと違って見えるから不思議だ。

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夜明けの梅田のヨドバシカメラ前。
人はほとんどいないが、わずかな人に「ねぇ、ねぇ、僕これから自転車で東京まで行くんですよ」と話かけたい気分(笑)

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大阪ー東京と言えば基本、国道1号線の制覇ということになる。

ここはやはり梅田にある1号線の終点地点からスタート。
ゴールは東京日本橋の1号線の始点!

もちろん朝早いので、誰もいない。

スタート時刻はジャスト6時。

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ここからは走り慣れた淀川堤防ぞいで京都へ目指す。

写真は枚方付近。いい天気になりそうな予感。

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忘れもののないように、昨日から何度も何度もチェックしたのに、朝ポカリいれたときに、蓋を家に忘れてきた。。。ガーン!

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出発するときにFacebookで、大阪ー東京へ自転車で行くことをアップしたら、たくさんの友人から、激励のメッセージがたくさん入る。

嬉しい。テンションが上がる。

木津川を過ぎる。とてもきれい。

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2府県目、京都。
ここまではずっと追い風で快適そのもの。

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 本来の東海道は、日本橋から京都三条大橋と聞いたことがあるので、律儀に遠回りだが三条大橋まで来る。ここから、旧東海道を通って琵琶湖へ。

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京都から琵琶湖までも何度か走ったことがあるので、慣れ親しんだ道。
三条大橋から峠を登り、下ればすぐ琵琶湖が見えてくる。

3府県目、滋賀県
ここで一回目の休憩。
時間は10時10分。ちょうど4時間でここまできた。
自分にしては、かなりいいペース。

写真は近江大橋の上。
暑くもなく、寒くもない気持ちいい気候。
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さていよいよ、ここから先は初めて走る道ということになる。

琵琶湖から離れて野洲川沿いへ、長い長い街道を走っていく。
まだ一度も走ったことのない知らない道を走り出すと、なんとなく旅に出ているんだという気持ちが強くなってくる。

と、道はいつのまにかゆるくて長い坂道となる。
これは鈴鹿峠だ。

自分は、峠や坂道が基本的に苦手だ。
ロードバイクに乗る人は、峠や坂道が大好きという人が非常に多い。
わたしは、軟弱ライダーなので、どうもその楽しさがわからない。
いつかわかるようになるのだろうか。

そんなことを思いながら登っていると、意外とすぐに鈴鹿トンネルに着いた。
これで登りは終了。
思っていたより、鈴鹿峠は楽な緩やかな峠だった。
(後で知ったが、滋賀側から登るのと、三重側から登るのとではこの鈴鹿峠、全然違うらしい。三重側からだと結構な斜度となる。)

トンネルを抜ければ、4府県目の三重県だ。

しかし、滋賀って南北に縦に長いだけって思ったのに、こんなに東西にも長いとは。滋賀長かったー。
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鈴鹿峠の上から。
とても気持ちのいい景色。

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ここからは一気に下り。

最高に気持ちいい。
車もほとんど走ってないので、結構車道の真ん中を走った。

そのとき、この旅、最初のトラブル発生!!

坂を下っているときに、前方から何かが飛んできた!

そしてまさにバチンという音とともに、自分の顔面ちょい上に何かが当たった。

そして、その数秒後、左まぶたの上に、今まで経験したことのないような痛みが!

ズキンというか、一瞬、何か太い針が目に刺さったような痛みだ!

なんだこれは。。。

そう、蜂だ。

蜂が顔面に飛んできて、私の左のまぶたをさして、飛んで行ったのだ。

もちろんサングラスはしていた、その隙間から入って刺して行ったのだ。

実は蜂に刺されるのは、これが人生初。
43歳にして初めての出来事である。

この痛みからすると、かなりの大きな蜂に思える。

怖くなって、自転車を脇に止めるもまぶた時代は腫れていない。

そして、不思議なことに痛みはすぐにひいて行った。
刺された瞬間だけ痛くて、もう全く痛くないのだ。
(これは後で、大変なことになるのだが。。。)

とりあえず先を急ぐことにする。

鈴鹿峠を降りると、関宿という宿場町に。

ここは以前、自転車で大阪から東京まで走った友人に、とてもいいところだから寄った方がいいよと勧められて寄ったところ。

タイムスリップしたような、昔の宿場町がそのまま残されいてる。

とても静かなところだった。

今日は平日の金曜日なのだが、不思議な感じがする。
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関宿をこえ、亀山市付近のミニストップで休憩。
この時点で130kmほど走ってきている。結構、疲れを感じるようになって来た。
時刻は14時。

カルボナーラスパゲティと菓子パンを食べる。
同時に楽天トラベルで今夜の宿泊先を探す。
(基本、宿泊先はその日に予約するスタイル)

トイレで蜂に刺されたまぶたを確認するが。
確かに小さく刺された後のようなものがあるが、全く腫れておらず痛みもない。

三重県亀山ー愛知県名古屋

今日の目的地名古屋まで、後70kmほどだ。

名古屋では、夜、名古屋の友人と晩御飯を一緒に食べる約束になっている。


亀山市鈴鹿市四日市市と順調に走り抜ける。
秋なので陽は短い。

この辺りはあまり写真も撮らず、とにかくひたすらペダルを漕いだ。

距離も150、160キロと伸び、ランニングハイならず
サイクリングハイになってきた。
とにかく気分が良いのだ。

そこでグイグイこぐ。


そして、木曽川を超える頃だと思う。

本日、2度目のトラブル発生!!!!

木曽川に架かる橋を渡るとき、サイクリングハイになっているあまり、
そのジョイント部分を全く減速せずに突っ込んでしまった。

そしてそのジョイント部分には、かなり段差があった。

その段差で自転車が大きく跳ね、その勢いでハンドルにつけていた
iPhoneが外れて大きく宙に浮いてしまった。

そして、宙に浮いたiPhoneは引力に逆らうことなく、地面に叩きつけられてしまった。

そして、ものの見事にiPhoneは砕け散ってしまった。。。。
まさに木っ端微塵。ウンともスンとも言いません。

この木っ端微塵になった瞬間、なぜか笑ってしまった。
「嘘やろ?」
笑ってしまったのは、サイクリングハイになっていたのもあるのかも知れない。
しかし、数秒後には冷静になり、さっと血の気が引いていった。

このiPhoneをナビ代りにしていたので、今どこにいるのかもわからない。
これから名古屋までどう行けばいいのか道もわからない。
電話もかけれない。誰にも連絡が取れない。

一瞬、早くもリタイアを考える。

蜂に刺されたのも、iPhoneがぶっ壊れたのも、この旅はやめておけという何かの暗示かも知れない。。。。
でも、とにかく前に進むしかない。

スマフォがないときって、どうだった?

そうだ、地図だ。そして、公衆電話だ。

このとき唯一助かったのが、名古屋で会う予定の友人の会社名を覚えていたことと、
今日が平日の金曜日ということだ。

とにかく、道を進みながら公衆電話を探す。
(しかしこれが今時、全くないのだ!!!)

何キロか走ってやっと公衆電話を見つける。
そして、番号案内104に電話。
(思えば番号案内に電話するのも、すごく久しぶりだ。今はなんでもネットで調べる。)

そして今日夜会う予定の友人の会社名を告げ、なんとか電話番号がわかった。これでまずは一安心。

そして、友人に電話。
なんとか友人に電話が繋がり友人に事情を説明。

友人が先にアップルストアに予約してくれて、ホテルまで迎えに来てくれることになる。ありがたい。

そしてコンビニで、名古屋の地図を買う。
でも紙の地図の見方を忘れてて、自分が何処にいるかいまいちよくわからない。

いやー、この一連の出来事で自分がいかにスマホに依存してるのがよーくわかった。

スマホがなければ、連絡もできない、道も迷子。完全にアウトだ。
こわい、こわい。

この時点で17時ぐらい、道も暗くなって来て(秋の夕暮れは早い)、
まだゴールまで30キロほどある。なんだか心細くなって来た。

でも、川を超えるために登った橋から、遠くに名古屋の高層ビル群が確認できた。
明らかに一箇所だけ、ビルが密集しているところがある。
とにかくその方向に迎えばいい。
それが見れてから随分安心して、名古屋まで走り抜けた。

もう地図の見方もわからないし、道行く人に尋ねまくってなんとか19時にホテルに到着。

友人と合流して、アップルストアに。
初日から痛い出費はなったが、新しいiPhoneを購入。

本当にそのときの友人には感謝しかない。


↓下の写真はアップルストアで撮影した、木っ端微塵になった私のiPhone
友人のスマホで撮影したもの。

この初日の旅の写真も全てこのiPhoneで撮影していたので、全てパーになってしまった。。。

このブログにあげている写真は、旅の途中でFacebookでアップしたものをあげています。いやー途中でFacebookにあげていてよかった。
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ちなみに200キロ走って来たそのままの格好で、栄のアップルストアにいたので、他のお客さんにやたらジロジロ見られた(笑)
かなり汗臭かっただろうし。

でも、そんなトラブルも、対応してくれたハーフの男前のスタッフさんが、
「大阪から1日で名古屋まで走ってくるってすごいですね。東京まで必ず言ってくださいね」と笑顔で言ってくれたことも今ではとてもいい思い出だ。

そして全て終わって、ホテルのレストランで友人に味噌カツ定食をご馳走になった。

最高にうまかった。

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波乱万丈の初日は、そんな感じ。

距離は200キロちょいで、200キロをこえて走ったのもその日が人生初の日だった。

色々あったけど、楽しかった初日でした。


iPhone壊れてから、あまり写真は取れなかったけど、その日私が寝る直前にFacebookに書いた文章の引用↓

 朝から12時間200キロ自転車漕いで、最後は迷子になってアップルストアに2時間いて、その後の味噌カツ定食、死ぬほど美味かった。生き帰った!

しかも、こんなにお世話になったのにご馳走にまでなり、○○さんには頭が上がりません。本当にありがとうございました。
マジで○○さんと名古屋で会わなかったら、名古屋でリタイアしてたかも。それほど、iPhone壊れてからの四日市〜名古屋はキツかったー。

 

大阪市淀川区十三ー愛知県名古屋市
走行距離 208km

 

 


 初日の宿泊先は名古屋クラウンホテル。
 

大浴場もコインランドリーもあってなかなか快適でした。

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