ニホイチ13日目(旅4:大阪ー富山編DAY3)富山県砺波ー富山県ヒスイ海岸
大阪富山の旅、3日目。最終日。
昨日まで天気に恵まれたが今日は雨の予報。
とにかく雨が降るまでにどこまで走れるか。
一応、目的地は新潟県の妙高だが、雨次第では一つ新幹線の手前の駅、糸魚川でやめる予定。さて、どこまで行けるか。
少しでも雨が降る前に距離を稼ぎたいので、朝4時にスタート。
ホテルのロビーにおりたら、4時だというのにロビーにホテルマンがいたのには驚いた。おそらく泊まっている誰よりも早くチェックアウトを済ます。
外に出ると、まだほんのり暗い。
そして空はやはりどんよりと雲に覆われている。
風は全くなく、不気味なほど静かな朝だ。
まだほとんど車も走っていない、国道156線。
紫の空が美しい。
とにかくグングンとペダルを漕ぐ。
庄川と迫り来る立山連峰。
すごい景色だ、息が止まりそうになるほど綺麗。
走り出して、1時間少し、午前5時過ぎにはもう小雨が降り出した。
天気予報ではお昼前から降り出すということだったのに、少し早くない??
雨は降るが、景色は素晴らしく綺麗。
これ晴れてたら、最高だっただろうな。
すでに、晴れの時にまたいつか富山に来たいと思う。
神通川。有沢橋。
雨を止ませる神通力が欲しい。
「雨よやめ〜」と心の中で何度もお願いしてみる。
富山城、到着。
雨は一瞬、やんでいる。
とっても綺麗な所に出た。
常願寺川。常盤橋。
川と線路と立山連峰。
自転車の自走でこんな遠くまで来れたことに、またじんわり感動する瞬間。
こういう綺麗な景色を自走で見れることがあるので、自転車旅はやめられない。
ちょうどタイミングよく2両連結の電車がやって来た。
旅情がくすぐられる瞬間。
静かな景色に、列車のガタンコトンという音が心地よい。
自転車で次にいくのが、名残惜しいほど、綺麗な所。
雨は上がっている。
久しぶりに国道8号線にでる。
道は広く走りやすい。
そして北陸新幹線と併走している。
神通川でのお願い以来、ずっと雨はやんでいる。
神に通じたか(笑)!?
とにかく走りやすい8号線。
雨は降らず、風も追い風で背中を押してくれる。
時速30〜35キロのハイペースでグングン進む。
魚津市に入る。
遠くにまた海が見えて来た。
黒部川。四十八ケ瀬橋。
ここに来て雨は降ったり止んだり。
そして、降るときは容赦なく強めになってくる。
せっかくの景色もガスってきた。残念。
立山から流れ込んでくる黒部川の水はとても綺麗。
「晴れてたらすごい綺麗なんだろうなこの景色。」
そんなことばかり思いながら走り続ける。
ガスの隙間から少しだけ見える景色だけで、そう感じてしまう。
実に惜しい。
8号線、入膳のあたりで右に折れると、富山湾岸サイクリングコースというのを発見。
サイクリングロードがあるんだ。
小川。赤川橋通過。
朝日町に。
日本海沿いにでた。
潮の香りがする。
海沿いに出たとたん、雨が本降りに。
すごい雨。
とりあえず近くにあった建物に避難。
この時点で9時20分。
カルチャーセンターみやざきという所の軒先で雨宿り。
かれこれこの場所で1時間ほど、雨やどりするが、雨足は緩まるどころかどんどん強くなってくる。
雨宿り先の軒下は写真のようにとても快適なのだが、火照った体が冷めてくると雨と汗に濡れたぶん、寒気を感じるようになってくる。
去年の九州旅の時の福岡で雨の中走ったので、雨天走行はもうこりごりだし。
結局、1時間半ほどして今回は残念たが、リタイアを決める。
またくればいいさ!
スマフォ地図で最寄り駅を探してみると、あいの風富山鉄道の越中宮崎駅(ヒスイ海岸駅)というのがすぐ近くにあることがわかった。
そこまで大雨の中を走る。
おそらく5分ほどだけだったけど、それでも参ってしまうほどの大雨だった。
とにかく冷たい雨。
そう、ここは北陸。なめたら、あかん。
なんとか駅にたどり着き、自転車を輪行バッグにしまい、服も着替えるとスッキリした。
電車は1両編成のワンマン電車。
なんか火野正平のこころ旅みたいで、ちょっと嬉しくなる。
この電車で糸魚川駅まで。
電車は、本当だったら走っているはずの道と平行して進む。
車窓から、その景色を眺めていると、走りたかったなという思いと、雨から逃れてホッとしている思いが交差してなんとも複雑な気分に。
糸井川の待合室は自分一人。
ここから新幹線で金沢まで。
暖かいコーヒーを飲んで、冷えた体を温める。
やっと落ち着いて来た。
金沢では、次のサンダーバードまで少し時間があったので、またもやここに(笑)
つい昨日いたばっかりなのにね。
今回はニホイチ旅初のリタイアとなってしまったけど、無理は禁物ということで仕方ない。
あと一歩で新潟県に入れる所だったのに、そこは非常に残念。
大阪から新潟まで自転車で走るというのがしてみたかったので。
今日走った富山県は晴れていたら素晴らしいだろうなという景色の連続で、これはぜひ近いうちにリベンジしたいと思う。
帰りの新幹線とサンダーバードの中では、次の旅をどうするかそればかりを考えた。
次回は、富山ー長野ー山梨編か、富山ー新潟ー山形編か?!
近いうち、どちらかでまた富山リベンジします!
サンダーバードは自転車で走った2日間の距離をあっという間に清算して、まだ明るいうちに大阪に到着した。
ゴールデンウィークの大阪駅はすごい人で、とにかく賑やか。
みんなギャハギャハ言うてます(笑)
この正反対の光景の中にいると、3日間静かな静かな北陸にいたのがすでに夢か幻だったかのように感じる。
そして、あの静かなしっとりとした北陸がもう懐かしくなってしまっている。
生粋の大阪生まれなので、この賑やかな街は落ち着くのだが、自分の中のスペースにあの静かな誰もいない北陸の景色が刻み込まれた。
それは大切な自分だけの思い出だ。
そして、この賑やかな場所とあの静かな幻のような景色が、ちゃんと繋がってることを、自分自身の脚で確かめることが出来た。
そのことが、何よりも嬉しい。
(旅4:大阪ー富山編)3日目
走行距離86km
3日間トータル457km
[ニホイチ旅全トータル 13日2095km]
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