ニホイチ3日目(旅1:大阪ー東京編DAY3) 静岡県島田ー静岡県三原
朝、起きて外を見てみると昨日降り出した雨はまだしっかりと降っている。
2日前の天気予報では晴れの予報だったのに、、、。
旅前の予定では、今日は最後の難関箱根越えの予定だったんだけど、予定を変更。
箱根越えは明日の朝一番にすることにする。
明日はすごく晴れるらしいから、富士山も綺麗に見えるだろう。
今日は午後からの行動として、箱根手前の三島までとすることに予定を変更した。
そう思うと、ちょっとホッとしてきた。
幸いホテルは11時まで入れるし、大浴場&サウナつき。
そんなに長距離の自転車に慣れていない上に、二日連続で150km越え。
いい休養になるだろう。
(ホテルの部屋から撮影)
さて、大浴場に行く前にコンタクトを入れようと、鏡を見たところびっくり。
左目のまぶたが昨晩よりもさらに腫れている。もうシャレにならないぐらい
もう左目が糸のように細くしか見えないぐらいになっている。
これ、マジでやばいんじゃないか?(相変わらず痛みはない。)
写真を取ってこの目をフェイスブッックに一瞬アップしようかと思ったけど、「いや、これをアップしたら多分見ている友達ほとんどに旅のリタイアを勧められるな」とアップを躊躇する。
腫れはひどい、でも痛みは全くない。目は細くなっているが、見えることは見える。
このまま行けるところまで行ってみよう。
ちなみに左目のコンタクトを入れるのに10分ほど要した。
(なんせ目が細くなっているので、なかなか入らない。)
今年の春、網膜剥離になった目も実は左目だった。
今年は左目の運が異常に悪い。
左目を蜂に刺されたのは神様に「お前、今年左目の病気になっただろ。それを忘れたんか、無理したらアカン。この旅はやめておけ」と言われているんじゃないかと一瞬頭を横切ったが、そんな気持ちはなかったことにした。
島田から清水
結局、チェックアウト時間ギリギリの11時までホテルにいて、走り出す。
雨はまだしつこく振り続けていはいるが、朝起きた時より少し小降りになっている。
走りだして、少しすると焼津漁港があった。
寄ってみるととにかく静か。
人どころか、猫一匹いない。
焼津漁港で、とてもいい感じの食堂を発見。
漁師の食堂という感じの風情。
せっかく有名な港町にいるんだし、海鮮料理もいいなと入ってみた。
港は人一人いないぐらい静かだったけど、お店の中は人気店らしく、たくさんの人。活気がある。
迷った挙句、刺身定食にする。
これがとにかく美味しかったー!
ご飯もお代わりし放題で、大満足。
焼津漁港を出て、太平洋の大絶景スポット、大崩海岸を目指そうとするが、海岸線の150線が工事中のため、通行止め。
ここにある石部海上大橋を走ることを楽しみにしていたのだが、色々ルートを調べてみたけど、どうしても今日は辿りつけない模様。
仕方ないので諦めて、遠回りだが内陸を走ることにする。
でも、ナビタイムの自転車ナビが代わりに紹介してくれた道が、これまたよかった!
川沿いの緩やかな道で、川好きの自分にはたまらない。
自分はなぜか川に旅情をすごく感じてしまう。あぁ、日本という感じだ。
火野正平さんの「にっぽん縦断こころ旅」のような風景というか。
車もなく自転車オンリーで、とても快適。
シトシトと降り続く小雨もなんだか情緒があっていい。
とにかく静かで、誰もいない川沿いをゆっくり走って行く。
宇津野谷峠という峠を超えて、また太平洋側へでる。
そして安倍川を超える橋に出た時、ついに登場、富士山!
いやー感動。(曇っててほとんど見えないけど。)
新幹線や車でみる富士山もそれはそれで心動かされるが、自転車で自走でみる富士山はこれまた格別。いやー、ここまで走ってきてよかった。
本当にテンションが上がる。
富士山って、日本人にとってはやはり特別なんだ。
安倍川を超えると、駿河湾沿いのとにかく一本道、久能街道をひた走る。
ほんと海沿いのひたすらまっすぐな道だ。
この頃には小雨だった雨も完全に止んだ。
久能街道を走っていると、やたら「三保の松原まであと何キロ」という表示が出るので、当初の予定では行く予定はなかったのだが、三保の松原に寄ることにする。
羽衣の松。
天気がいいとこんな絶景が拝めるスポットのようだが、本日は残念。
見ることができず。
売店でソフトクリームを食べる。
店のおっちゃんから、「どこから来た?」と聞かれ、「大阪から自転車で走ってきた」というとびっくりされる。この瞬間は実はすごく気持ちいい(笑)えへんという感じだ。
三保の松原を出るとすぐ清水の街につく。
清水と言えば、ちびまる子ちゃん。また清水エスパルスと大阪人の自分にとっては静岡では一番名前がピンとくる場所。
そして私のような世代(昭和47年生まれ)ではビーバップハイスクールの映画のロケ地としても馴染みの場所でもある(笑)。仲村トオル、清水宏次朗、中山美穂のバージョンね。
そんな清水では、自転車のクリートのかかりが悪く、道の地べたに座ってシューズを脱いでクリートの調整をしていたところ、私が自転車で転倒していると思ったのか、一人のおじいさんが、「大丈夫ー?」と駆け寄ってきてくれた。
見た目は普通のおじいさんなのだが、話し方はいわゆるオネエで、「いやーん、倒れて動けないと思ったわー」と、内股気味の小走りで駆け寄ってきてくれたのだ(笑)。
でそのオネエのおじいさん(歳は70〜80ぐらいだと思う)と少しだけ世間話をしたのだが、私が大阪から自転車で来たというと「信じられなーい。」と言ったあと、「私も昔一度だけど、大阪に行ったたことがあるの、懐かしいわー。すごく大切な人がいてね。」みたいなことを話された。そして、その顔はとても嬉しそうでいつくしい笑顔で、まさに少女のようだった(見た目は完全におじいさんだけど 笑)。
基本的に自転車旅は自転車の上でひとりぼっちの時間がほとんどで、あまり誰かと話をするということがない。だから、こういう人との思いがけない会話というのが、すごく印象に残ったりする。
清水では写真の1枚も撮らなかったけど、そのおじいさんと話したことが今も心に残っている。
清水ー三島
さてそんなこともあり清水を出ると久々に1号線。
この旅で初めて、道路標識に東京という文字が。
まだ175kmあるが、ゴールが近づいた感じ。なんか嬉しくなってくる。
1号線に入ると、自動車の東名高速道路と並走して太平洋岸自転車道というとても走りやすい道がある。
この道をひたすら走る。
※太平洋岸自転車道に入るには、下の写真の駿河健康ランドが見えたら、車道から歩道に入って、道の下のトンネルから太平洋岸自転車道に入る必要がある。
ちなみに自動車道の車道側を走るのはとても危険なのでやめた方がいい。
自分もこの旅に行く前に、東海道を自転車で行ったことのある人に、ここだけは注意しろと念を押されたところ。
今後、もし自転車で東海道を行く予定のある方は参考にしてください。
車で東名高速を使って東京まで何度か行ったことがあるので、自転車でその東名高速と並走するというのはなかなか嬉しいもの。
猛スピードで車の中からみた同じ景色を、自転車で見ながら走るというのはとても贅沢な気分になる。
そして曇りがちだった空も少し晴れてきて、富士山もより輪郭がはっきりしてきた!
富士山に向けて、まっすぐな道をひたすらペダルを漕ぐ。
秋の夕暮れが近づき、景色もいい。そして風は完全なる追い風。
由比をぬけ、富士川にでる。
富士山がより近く、最高の気分。
あぁ、自転車で遠くに来るの最高かも・・・。
こんな気持ちのいい気分ない。と強く思った場所でした。
夕暮れの富士市、沼津市とぬけていく。
この間もずっと追い風だ。
一旦、道を間違えて逆方向に走ったら、想像以上の向かい風で、今まですごい追い風で走っていたことに気づいた。
そういえば、3日間ずっと追い風のような気がする。
奥田民生の「風は西から」という歌が頭に流れる。
(自転車漕いでいる間は、当たり前だが音楽が聴けない。その代わり、いろんな歌が代わりばんこに脳内再生で流れる。)
そして、今回の旅の間、一番頭に流れたのはこの歌だ。
風は西から 奥田民生
虹は見えても渡れない 雲をつかむような浮かれた話
虹を渡って雲をつかんで 君にあげるよほんとの話
笑う人には笑っといてもらおう
風は西から強くなっていく
明日へ突っ走れ 未来へ突っ走れ 魂で走れ
明日はきっといいぜ 未来はきっといいぜ 魂で行こうぜ
厚い雲を飛ばして、太陽を呼び出して輝き放題
清水から、三島までの間はずっとこの歌が頭の中でリピート再生。
もうこの旅のテーマソングみたいなもんだ。
雨で始まった3日目も最後はこの歌の通り、厚い雲を飛ばして、
赤富士まで拝ませくれた。
三島について、三島駅前のホテルに止まって、一人で焼肉を食べにいく。
実はこの旅の1週間前から禁酒をしていて、東京にゴールしたらビールで乾杯しようと思っていたのだが、一人焼肉&3日間ですでに500キロ以上走っている達成感とで、ビールを解禁!
最高のプハーを味わえました。
旅自体は、出発前に想像していたより、何倍も楽しくて、明日終わってしまうのが残念なくらい。体も全然どこも痛くないし、なんならこのまま青森まで行ってしまいたいぐらい。
明日は朝から最高に晴れるそうなので、旅の最終日を楽しみにたいと思う。
3日目
走行距離123km
3日目間トータル508km
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3日目の宿泊先は富獄の湯ドーミーイン三島
外れなしのドーミインはお気に入りです。
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