ニホイチ27日目(旅8:紀伊半島一周編DAY4)熊野市ー志摩市阿児の松原海岸
不覚にも途中リタイアとなってしまった紀伊半島一周編。
大阪に帰って日常生活を送っていても、やっぱり途中で終わったというのは何をしてもひっかってしまう。
リベンジは早くても6月以降と思っていたけど、結局いてもたってもいられなくなって、予定を無理くりして、3週間後土日に再挑戦することにした。
金曜の夜、仕事を終えると自転車を車に積んで三重のJR四日市駅まで向かう。
JR四日市の駅前に車を止め、そこからはワイドビュー南紀で再びあの真っ暗だった熊野へ向かう。熊野から2日間で300キロ走って、この四日市に戻ってくる算段だ。
JR四日市駅は意外にもとてもさみしいところだった。
フェイスブックでそのことを書くと、どうやらJR四日市は寂れているが近鉄四日市は賑やかだと、たくさんの友達が教えてくれる。
なんだか昭和感満載の四日市駅。
ホームにはもう誰もいない。
勝手にこの自転車旅のテーマ曲のひとつとして、走っているときによく口ずさんでいる奥田民生の名曲「さすらい」の歌詞にある「人影見当たらぬ終列車、ひとり飛び乗った」のシーンのようで、なんだか燃えてくる。
車庫を兼ねてるのか、石油輸送列車なんかが停まってるのも雰囲気がある。
四日市から熊野市までは、ワイドビュー南紀で3時間ほど。
でも途中で列車が鹿とぶつかったとのことで、急停車する。
点検やなんやかんやで遅れ、熊野市駅に着いたのは深夜の24時近くになってしまった。
もう真っ暗闇。
街灯もほとんどない暗くて静かな町を自転車担いで宿までとぼとぼ歩く。
3週間前リタイアしたのは、熊野市から約40キロほど先の三木里というところ。
そこまで電車で行こうかとも思ったりもしたが、結局4時には目が醒めたので、やはり自転車で行くことにした。たぶん、そのほうが時間的に早いしね。
途中までは前回と同じ道を走ることになる。
曇ってて、海が近いからかかなりひんやりとした朝。
24時について、5時にはホテルを出発。
ホテルには結局5時間だけの滞在となった。ただ仮眠をとっただけという感じ。
昨夜、到着のとき真っ暗だった熊野市駅。
熊野古道を訪れる観光客の基点となっているのか、なかなかおしゃれな外見である。
正直、駅だけ見ると昨夜の四日市駅よりかなり近代的だ。
駅前のローソンに入り、朝食。
あまりお腹は空いていないが、炭水化物を中心にとにかくカロリーを摂れるだけ摂っておく。
鬼ヶ城をすぎ、前回と同じ海沿いルートの国道311号線を行く。
3週間前と違い、今回はかなり曇っている。
奥琵琶湖のような新鹿町。
前回はゴールデンウィーク中でキャンプしている人で賑わっていたが、今回は釣り人が数人いるだけ。かなり寂しい感じだ。
前回はテントで賑わっていた浜もほどんど人がいない。
新鹿町の山側。ここから何本も熊野古道がつながっている。
相変わらずトンネルは多い。
ただし車の通行量もほどんどない。今回は前回よりさらにない。
二木島。朝の港の風景。
とても静かで、犬の吠える声だけが響いている。ちょっとここでほっこりする。
太郎坂広場。
前回より曇っているけど、今回は風が全くない。
海も完全な凪。それは前回よりかなり楽。
3週間前は天気は良かったけど、風がとにかく強かった。
甫母港。ひたすら海沿いの道を行く。
まったく静かで、ほぼ誰ともすれ違わない。
ビュースポット、楯ヶ崎。
楯ヶ崎2枚目
尾鷲市に入るとすぐにある梶賀トンネルと曽根トンネル。
この二つが暗くて長い。ライト無ければ無理。
でも、車は前回も今回もほとんど通らない。
こちらからは下りなので、一気に下る。
曽根トンネル。
トンネルを抜けると賀田湾。
鯛の養殖をしているようだ。
スタートから40キロほどで、前回のギアが壊れてリタイアした三木里港の坂に差し掛かる。
ほんとなんてことのないゆるやかな坂なんだけど、なんでこんなところでギアがおかしくなったんだろうな。
とにかくここを通過できてほっとする。
さて、ここからは改めてはじめて走る場所だ。
ワクワクして嬉しくなってくる。
三木里を過ぎるるとすぐに三木浦町という港町に。
自転車旅じゃなかったら、一生くることがなかったであろう小さな小さな港町だ。
三木浦トンネル。
できたばかりなのか、新しくとても綺麗なトンネル。
歩道はないが、車もなくとても走りやすい。
三木浦から尾鷲市の中心までは海沿いを離れて、山間部を行くことになる。
杉の間に熊野古道の案内がところどころある。
山深くなってきた。
これから九鬼峠、八鬼山へのぼっていく。
登って来ました。九鬼峠。
久しぶりの峠、そこそこきつかった。
そして峠の頂上には、今回の最長トンネル2300メートルの八鬼ヶ城トンネル。
事前の調査では、このトンネルが最難関かなと思ってたけど、なんてことなくただ長いだけだった。よかったー。明るいし、車はほとんど走ってないし、下りだし。
山梨の新御坂トンネルに比べたら、まさに天国!
(新御坂トンネルはホント怖かった)
八鬼ヶ城トンネルを抜けると尾鷲市の中心部が見えてきた。
ずっとなにもない自然の景色を見てきたからか、なんだか大都会に見える。
尾鷲市内へ潜入。
尾鷲の野球小僧。
尾鷲の中心で自然の中を抜けるローカルな311号から比較的メジャーな国道42号に合流する。なんとコメダ珈琲まである。これは都会!
ファミマ、マクド、コメリ、すきや、回転寿司ダイソー、パチンコ屋が並ぶ、まさにビッグシティ尾鷲!
まだ今日は休憩をしていないので休憩を一瞬考えるが、もうちょっと進むことにする。
尾鷲の中心地を抜けたらまた峠道になる。
今日はアップダウンの繰り返しだな。
尾鷲トンネル。ここは42号線なので車の通行量多いので注意が必要。
尾鷲トンネル、歩道もなく狭い。
再び山。
銚子川。
紀北町。海山付近。国道42号を淡々と進む。
往古橋。川には水がない。
昨日乗ってきた特急が通過していく。
この紀北町のあたり、42号沿いは特徴がなく結構退屈!
船津川、両郷橋。この川も水がない!
久しぶりに海に出た。なんだかほっとする。
三野瀬の海。
この三野瀬の海岸で本日初休憩。
ちょうど70キロ地点。
釣り人をみながらおにぎりをぱくつく。のんびりしているなあ。
さて、このあたりから、
軽く登る
→2,300メートルの短いトンネル
→下る
→軽く登る
→短いトンネル
→下る・・・・・・
延々とこのパターン繰り返される。
とにかくアップダウンの繰り返し。結構、疲れる、これ。
長島港。
長島トンネルを抜けたら、 国道42号とお別れ。右折し国道260へ向かう。
紀伊長島の町並み。
国道260は普通に峠道。ぐんぐん登っていく。
今日はほんと登りばっかだ。
三度、すんごい山の中。タフだー!
くだりの途中、錦湾が見えた。きれいだ。
峠を越えると大紀町錦湾。
ここも自転車旅じゃなかったら一生来なかっただろう小さな港街。
錦漁港。すんごい静か。人のいる気配がない!
水筒の水分も果て、のどが渇いたので錦町で自動販売機を探すがどこにもない!
とおもったら、コンビニ発見!ほっとする。
ここで休憩。
リタイアした3週間前と比べて、今回はかなり曇って残念と思ってたけど、これだけ峠が続くのなら、曇ってヒンヤリしてる今日で良かったと思ってきた。
三週間前は快晴だったので、あのまま行ってたら暑すぎて大変だったんじゃないだろうか。今日ぐらいでちょうどいい。ツイてる。
大紀町。
またもや峠、のぼり坂!
今日はすごいな、事前の想定以上の登り!
ひたすら峠をのぼっていく。
紀勢南島トンネル。1500メートルと長いが、歩道あり安全。
トンネル内はずっと下り。一気にくだっていく。
棚橋というところに下ってきた。海だ。
とてもおだやかで、海釣り公園になっているのか釣り人が筏の上でたくさん釣りをしている。釣り人にとってはかなりいい場所っぽい。
棚橋トンネル
南伊勢、古和浦。この辺りから伊勢という名前がいよいよ出始めた!
伊勢志摩国立公園の看板来た!
神前湾。なかなか意味深な名前。
風が強くなってきた。
このあたりからまた低い丘のアップダウンの繰り返しが始まる。
何度も何度も坂を登って、くだる。かなりきつい。
慥柄浦。
相変わらず、登り→トンネル→下り→海、登り→トンネル→下り→海、の繰り返し。
相賀浦付近。ダラダラ続く登り坂!地味にきつい。
いやー、今日はきつい。まじできつい。
今までのニホイチ旅の中でも一番きつい日かも。
もう坂はいらん、飽きた!
山の上に国際秘宝館の看板が(笑)!
20数年前の大学生のときに行ったことがある、中にははいらなかったけど、なつかしいな。
でも、もうとっくの昔になくなったはずだけど。
このあたりは鯛がよく釣れるらしく道路沿いにこんなお店がところどころあります。
伊勢路川。この辺りはのんびりしてる、田舎道。
こういうところに出くわすとほっとする。日本のいい風景。
河童!
内瀬浦
さて、前回の旅の途中で伊勢に住む友達からフェイスブックで志摩市のあご湾の岬から岬へ渡る定期船というのがあると教えてもらった。
調べてみると、浜島港から御座港の定期船に乗ると、志摩市の岬をぐるっと周ることができる。しかも自転車も船に乗せられるとのこと。
これは面白そうだと今回はそれに乗ることにした。
しかし、いつも時間を気にせずのんびり行っているこの自転車旅だが、この船は2~3時間に1本しかなく、最終が16時45分。
この内瀬というところでその再終船に乗るには時間ギリギリだとわかる。
そこで浜島港までは、猛スピードで走ることに。
写真も取る時間なし。しかもそれなりにアップダウンはある。
今日の峠続きでかなり脚は売り切れ状態。
正直そうとうきつかったー。
志摩市突入!坂ばっかだ!
港手前の浜島バイパスもなんてことない坂なんだけど、かなりきつい。
でも、とにかく船に乗るためにかなり遠回りしてきているし、船に間に合わないとなると、かなり洒落にならならい状況。
とにかく、疲れた脚にムチを入れて必死にペダルを漕いだ。
そして、浜島港に到着したのは船の出発まで15分前。ギリギリ。
でも着いてみると、想像していたところと全然違う。
地図で見ると浜島港は海ホタルというところにあって、来るまではそれなりの観光地っぽい港を想像してたんだけど、実際は本当にここに船が来るの?っていうような寂しいところだ。
自分の他に誰ひとりいないし。
なにもない。ぽつーん。
しかも船の乗り場はこんな感じ・・・。
どう見ても、潰れてるやん。。。
これはやってしまったか!
おお、あご湾定期船、、、、絶対ないやん。
せっかく猛スピードで急いできたのに、しかもここまでの道を逆戻りとなると相当な時間と体力のロスになる。
いやー、体は疲れ切ってるし、夕方が近づき少し薄暗くなってきたのもの重なって、ちょっと泣きそうになる。
ちょっと教えてくれた友達を逆恨みしそうだ。
いや、そもそも友達の言葉を鵜呑みにし事前調査をあまりしていなかい自分が悪いんだけど。
いや、いや、でも、ホームページはあるし、潰れたんなら潰れたでホームページを放置している船会社が一番悪いんじゃないか。
などとがっかりついでに、怒りの矛先を考え始める。
もう一度、スマホであご湾定期船のホームページを確認してみると電話番号の記載を発見。とにかく電話をしてみる。
ツーツーツー。話し中。
マジか、終わった。。。。
今から思うと電話が話し中ってことは営業しているということなんだけど、そのときはちょっとパニックになっていたので電話が通じないイコール潰れてると思ってしまったのだ。
でも、とにかく出発時間まで待とうと、一人ぽつねんと港でまつ。
出発時間5分前になっても船は来ない。
諦めきれず、もう一度電話をかけてみる。
ツルル・・・ツルル・・・。
お、今度はかかった!
そして、電話口に出た人に聞いてみると、明るい声で
「ちゃんとやっていますよ。今日も船は出るのでそこで待っててください!」
とのこと。
どうやら、時間ぴったりにくるらしい。
しばし信じて待ってみると、時間ぴったりに来たー!!
しかも派手!
自転車はこんな感じで船内に持ち込みが可能。
お客は自分ひとり!貸し切りだ(笑)
船の上(天井部)にあがれるということなのであがってみる。
ニホイチ旅初の海上移動!
いやー、これは快適快適!
たまらん、海風が最高に気持ちいい。
ここまで走ってきてよかった!
賢島方面。
うっとりする美しさ。
いつまでも乗っていたいけど、たった10分で対岸の御座港に到着。
いや、一瞬でも勘違いで恨んでしまった紹介してくれた友達ごめんなさい。
それにあご湾定船さん、潰れたなんて思ってしまってごめんなさい!
最高の時間を送れました。
一応、記念写真。
到着した御座港も何もない寂しい港です。
御座港から志摩バイバスを走り、大王崎の灯台を目指す。
志摩大橋が見えた。
別名、志摩パールブリッジ。
志摩大橋から風景。
大王崎灯台はせっかく来たけど営業時間終了してました。残念!
かなり遠くから撮影。
せっかく来たのでニセ灯台で。
なんとか日没前に本日の宿のある阿児町に到着。
リベンジ初日終了。
距離は174キロでしたが、獲得標高は2,276mと今までの最高。
いやー、疲れました。かなりきつかったです。
これもしかしたら3週間前、疲れている3日目として行ってたら相当きつかったかも。
最後にこの日夜アップしたフェイスブックの引用。
一日目終了。熊野市から志摩市阿児の松原海岸まで。
距離は175キロとボチボチでしたが、獲得標高が2300メートルと過去最大の高さに!これは箱根峠よりも、長野白馬よりも、山梨よりも、過去のどの日よりも登ったということになります。ひとつひとつの峠は大したことないんですが、峠の数が多かった。ほんと登りが苦手な自分にはタフなコースでした。今んとこ、もう二度と今日の道はしりたくない。脚パンパンです。
今夜の宿は海の家みたいな民宿で泊まっているの自分ひとりだけ。そとはもう真っ暗。なんもありません。
今日はもうダメ(笑)疲れたので、もう寝ます。ダウン↓
(旅8:紀伊半島1周編DAY4)
走行距離174.8km4日間トータル569.5km
[ニホイチ旅全トータル 26日目4353.1km]
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