ニホイチ旅31日目 (旅9:下関-出雲編DAY2) 益田ー浜田市ー大田市ー出雲
下関ー出雲の旅、2日目。
4時55分、益田駅前を出発。
陽がのぼり暑くなる前に、少しでも距離を稼ぎたいので、夜明け前に出発。
短時間だけどボロ切れのように眠ったのでスッキリだ。昨日の疲れはなんとか取れた。
夜明けの益田の街。
益田川。益田新大橋を超える。静かな朝。
下関からここ益田まではひたすら国道191号線を走って来たけど、ここからゴールの出雲までは昨年秋の山陰旅でひたすら走った9号線に戻る。
191号線はここから内陸に逸れて広島に向かう模様。そっちの続きも行ってみたい気持ちも少しする。
増田の街を出る坂をのぼって行く。
坂の途中で後ろを振り向いてもう一度益田の街を見る。
今回、生まれて初めて来てもうおそらく二度と来ないような気がするので、ちょっと名残惜しい気持ちだ。
朝の9号線。車も少ないうえに涼しく走りやすい。快適。
そして小さな丘を超えて、また海に出る。
昨日、島根県に入ってからやたら見かけるのが、誰も住んでいないボロボロの空き家。
それこそ驚くほどある。家だけじゃなく廃墟となった商店やホテルとかも。
このあたりの人口減少は相当なんだなと思う。
相変わらず海岸線に入ってからは50〜70m程度の小さな峠の繰り返し。何回のぼりおりするんだろう。これがけっこう疲れるのだ。
浜田市へ入る。
実は今回の旅は、この浜田市に来るのをもっとも楽しみにしていた。
昨日の初日は、角島、萩となかなか観光地続きだったけど、今日の浜田市こそが実は自分にとってのメインイベントでもあるのだ!
というのも、ここ浜田市は大好きな映画「天然コケッコー」のロケ地。
最初、今回の旅のルートを考えている時、出雲と萩の間ってなんもないなあ、退屈そうだなと思ってたんだけど、ふと、ここがあの「天然コケッコー」のロケ地と気づいてから一気にテンションが上がった。
自分はこの映画を撮った山下敦弘監督の大ファンで、その代表作のひとつ「天然コケッコー」は山下監督の映画の中でもベスト3に入るほど好きな映画で、そのなにもない田舎の景色がよくて何度も繰り返した見た映画。
昨年の鳥取自転車旅のときは同じく山下監督の「リアリズムの宿」のロケ地を巡っていたく感動したので、今回は天コケのロケ地を回るのが今回の旅の大きな楽しみとなっていた。ロケ地全部をまわることは出来ないけど、ある程度回れそう。
なので今日のブログは自転車ブログというより、天コケのロケ地聖地巡りというオタク
丸出しの内容になっています、はい(笑)
三日前、10年ぶりに映画を見直して来たので、気分もけっこう乗っている。
(昨日、夏の昼間に幽霊らしきものをみる映画の話を少し書いたけど、あれはこの映画のこと。)
まずはくらもちふさこの原作漫画のモデルになったという三隅町に到着!
朝の三隅川。いやー、気分入ってくる。
三隅町には、映画では秋祭りシーンを撮影した三隅神社がある。
このあたり映画に映ってるところだ。
ここ映画の中で伝統芸能をやってた舞台だな、たぶん。
お参りもした。
三隅神社の駐車場。ここも映画でちょこっと使われいてる。
三隅の町。朝早いので誰もいない。
道の駅ゆうひパーク三隅にピットイン。
夕日の名所のよう。ちょうど海と電車で夕日が撮れるみたい。
なんとまだ朝の7時だというのに、場所取りのカメラが既にある。それもカメラのおじさん、四人も待機中。
10時間以上ここで待つのか、すごい。それほどに綺麗な景色なんだろう。
朝の海、気持ちいい!開放感がある。
太陽は7時にして、すでに本気モードを出して来た。
このあたりの大きな特徴。日本海沿いはところどころ、こういう場所がある。
海岸線に沿った、線路。この路線は天コケ映画でも印象的に使われている。
いつかこの電車に乗ってみたいな。
浜田港。ちょっと町になって来た。
浜田駅に到着。
映画に出て来るカラクリ時計。残念ながら動いているところは見れず。
主人公が立ってたあたり。
てか、ほんと天コケ聖地巡礼ブログになっとるな(笑)
さて、出雲へのルートとは離れるがどうしても天コケのメイン部隊の学校だけはみたいとの思いから、ルートを離れ峠道へ、この峠の先にあの分校がある。
やって来ました、旧後野小学校!
今回の旅のメインイベントだ(笑)ここに一番来たかったのだ。
自分にとっては昨日の角島大橋よりも萩よりも、ここに来るのが楽しみであった。
後野小学校は残念ながら去年、映画の内容の流れそのままに廃校となってしまったようだが、現在は石見公民観館の分館となって残っている。
ちゃんとこういうロケ地だと示す看板も立っていた。
小学校の名前もまだ残っている。
きたきたきたーーーー!
映画のまんまだ。かなりの感動である。ここ、ここ〜!
小学校時代は入れなかったようだけど、今は分館なので中にも入れる模様。
建物の中もちらっと覗くことができた。
これも映画でおなじみのニワトリ小屋があった場所。
いつまでもいたい気がしたけど、最後に自転車と記念撮影だけしてあとにする。
ほんと、来れてよかった。感無量。
浜田川。のんびりしたいいところだった。
さ、また海沿いに戻って走り出す。
石見海浜公園アクセスの印象的なオブジェ。
今日も昨日に負けずめちゃくちゃ暑い。完全な猛暑日。
すぐに汗ダラダラ、喉カラカラになる。波子海水浴場で、休憩。
日陰に入って、炭酸水とスポーツドリンクを500mlづつを一気に飲んで、ビーチを眺める。
いいなあ。気持ち良さそう。
今日みたいな日は自転車こぐ日ではなくて、こうやってビーチで涼むのが正しいよな。ほんとそう思う。
江津駅。けっこう街だ。
やっぱ暑いので、パレット江津というところで涼む。
もう休み休み行くしかない。
でっかい川を超える。江の川。
浅利トンネル。
交通量多い上に歩道なし。路肩も狭く注意が必要。
トラック来たら、傍に止まってやりすごすくらいでちょうどいいかも。
浅利海岸。風車がかっこいい。
この海岸も天コケのロケ地。子どもたちみんなで海水浴に行くところ。
道の駅。サンピゴごうつにピットイン。
もう、暑くて暑くてやってられない。
昨日のように、休み休み行こう。
休憩所。本日初クーラー。生き返る。
このあと、自動販売機で冷水を買い、頭から水をかぶる。とにかく体温を下げないとやばい。
温泉津峠からの温泉津トンネル。
温泉津から湯里。この辺りは峠とトンネルの連続。この暑さでそうとうキツイ。
ただ汗ダラダラで峠を登ったあと、ひんやりしたトンネルに入る瞬間はそうとう気持ちいい。
さて、天コケロケ地巡りもここが最後、海辺の駅、馬路駅。ここだけだいぶん他のところと離れていた。
無人駅だからホームにもあがれた。ホームから海が見える。映画のシーンのとこだ。
線路から。この単線の線路は映画でもけっこう印象的に使われている。
ここで天然コケッコーのロケ地巡りは終了。
この映画は田舎の風景をひたすら撮っている映画で、特に大きなストーリーがある訳でもないその映画は、「なんにもない」っていうのをただひたすら撮ってる映画でもある。その静かな感じを退屈だと思うひともたくさんいるんだろうけど、自分はこの映画全体に漂っているムードがすごく好きだ。それはすごくやさしい。
今回この島根県の中でもあまりメジャーではないこの地域で撮影されたこの映画は、やっぱりとてもいい映画なんだなと感じることができた。そして意味があるのだと思った。こういう映画がたまにあってもいい。
そして、「なんにもない」ってのはマイナスなことではなくて「なんにもないっていうことがちゃんとある」ってことなんだなあと、昨日今日となんにもない海辺の道をずっと走ってきて強く思った。
「いろいろいっぱいあるのが善」わけでは決してなく「なんにもない」にもちゃんと価値があるというか。
そんなことを思ったロケ地巡りだった。
さて、ゴールの出雲まで残り50キロあまり。
先を急ごう。
馬路琴ヶ浜海水浴場。
写真を撮っていると、ここは鳴り砂というのが有名なんだと、おじさんに教えてもらった。
「せっかくここまで来たんだから、靴脱いでやっていきなさいよ」とおじさんにえらく勧められたんだけど、暑さと疲れもありその時はそんな気分になれなくて、「ちょっと時間ないんですよ」と断ってしまった。
今は、あの時やっておけばよかったなあと、かなり後悔している。
せっかく、あんなに地元の人に勧められたのになあ。
やっとひさしぶりにコンビニ。
お昼ごはん。今日も流し込み系。
コンビニを出るのがいやで、かなり長居をしてしまった。
かなり体力は復活。
でも、出て15分もしたら、もう暑さでバテバテになる。
道は全く日陰のない道を進む。
海はエメラルドグリーンでずっと美しい。
この海岸線を走る1両編成の電車の写真を撮ろうと思うのだが、なかなかタイミングが合わなかった。
本日3度目の水かぶり。
もったいないという思いもあるが、これをやると30分は涼しい。
でも、日焼け止めが目に垂れてきて痛い。
美しい田園風景。太田市波根。
また峠。もはや100mほどの峠がそうとう苦しい。
峠を一気に下ってきたら、きた!出雲市!
田儀の海。今回の日本海はずっと穏やかだったな。
手引ケ裏台場公園。大きな大砲。
小田。
あと10数キロなんだろうけど、ゴールが近づいたと思ったら安心したのか、一気に疲労がピークに。ちょっと早いって、おれのメンタルよ。
しんど。
ラスト休憩。道の駅キララ多伎にピットイン!
出雲大社も近いしめちゃくちゃ混んでる。
裏は海水浴場。
道の駅に海水浴場がついているというのもかなり珍しい。
神西湖。今回は出雲大社はパスした。時間的には行く時間があったんだけど、去年行ったし、この暑さと疲れでプラス10キロほどはしんどい。
神戸川。さすが、このあたりは神がついた地名が多い。
と、9号線の道が急にひらけた。
ここ覚えている!去年の秋、反対側からここまで走ってきたところだ!
高松北交差点。ここで去年の道と繋がった!
とりあえず、ここで本州西側ぐるり一周完成だ!
17時15分。目的地の出雲市駅に到着!
疲れたー。
最後の5キロほどは、ママチャリでフラフラしている高校生にも抜かれるぐらいゆっくりでした(笑)
駅前にはロードバイクを輪行バッグに片付け中の先客が一人。
女の人だ。珍しい。声かけようかと思ったけどやめておいた。
自分も輪行バッグに詰めて、汗だくの体をトイレに入りひんやりシートで全身を拭いた。去年秋の旅と同じく、出雲から八雲で岡山までいき、岡山から新幹線で帰る。
八雲は一番後ろの席を取れば、新幹線のようにそのまま後ろにバイクを乗せれる。
八雲の車窓からは宍道湖が見れる。
最後に、この八雲の中からFacebookにリアルタイムでアップした感想をそのまま引用です。
今回の旅も暑かったけど、思い出深い旅になったのはいうまでもない。
17時15分、無事目的地の出雲市駅に到着!これで去年の道と繋がり、本州西側くるり一周となりました。嬉しい。
今日の走行距離は152キロ。今日もアップダウンは多く獲得標高は1500メートル越え。 昨日と合わせると3300メートルで、もうちょっとで富士山を登りきるところでした。海沿いはやはり登り降りがすごい。疲れるはずだ。
それと今回は暑さにやられました。夏のロングは今後は考えもんです。ちょっと舐めてました。とにかく疲れきって、頭もちょっと痛い。明日も休みで良かったです。
お付き合い頂いた方ありがとうございました。また二日間、テンション高い投稿ばかりして失礼いたしました!
来月も走ります。
やはり自転車で遠くにいく旅は楽しすぎてやめられそうにない。
(旅9:下関-出雲編DAY2) 益田ー浜田市ー大田市ー出雲 (旅9:下関-出雲編DAY2) 益田ー浜田市ー大田市ー出雲 走行距離151.7km
2日間トータル352.1
[ニホイチ旅全トータル 31日目4995.3km)
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