ニホイチ旅32日目(旅10鹿児島-大分編DAY1)鹿児島中央-宮崎市
9月の3連休は、九州の旅に行くことに決めた。
九州を走るのは二年前、広島から鹿児島まで3号線を走って以来となる。
2018年中に、とりあえず九州1周を完成したいと思っていて、予定では9月に鹿児島から大分までの東九州。10月に大分から長崎への北西部と思っている。
どちらもそれぞれ3日かけて行く予定である。
今週は毎日、天気予報とにらめっこしながらソワソワして、金曜日は午前中だけで仕事を早引きして小雨の降るなか自転車を担いで最寄りの駅に向かう。
先月までの猛暑が嘘のように涼しくなった。先々週、50数年ぶりに大阪を直撃した台風。それ以降、一気に秋に近づいた印象。
ほんの一ヶ月前のあの猛暑の中の下関ー出雲のことを考えたら、嘘みたいに涼しい。なんなら朝夕はちょっと寒いと感じるぐらいだ。今年は季節の移り変わりがとてもはっきりしているように思う。
今日曇り空も、明日からの3連休はまずまずのお天気とのこと。
鹿児島まで飛行機で行くという手もあったが、大阪から広島、広島から鹿児島と自転車で走ったルートの脇を通って行く新幹線の方が「その続きを走るのだ」と自分のテンションを上げてくれる感じもしてこちらにした。実際には山陽新幹線はトンネルばかりだし、九州新幹線になる頃には外は真っ暗だしで、あまり走った景色を再度確認することは出来なかったのだけど。それでも列車の旅は距離を感じることができるので、こういう旅の時は、こちらの方がいい。
新幹線の中ではなぜか、頭の中でBring it home to meがずっと流れていた。旅情の歌だ。イフユエバーチェンジマーアインド。これから家を戻るのではなく家を出て行くのに変な話だ。でもなんとなくどんより曇った今日の空によく似合う。
21時ごろ、鹿児島中央駅に着く。
着くまですっかり忘れていたのだけど、今年の大河ドラマは『西郷どん』ということで、駅に着くやそれの大きなポスターが出迎えてくれる。
駅を出てすぐのビジネスホテルにチェックインして、夕食。
21時過ぎだと結構店も閉まりかけだったのだが、少しでも鹿児島らしい食事をと駅前で黒豚丼を食す。ビールはノンアルコール。
夜は11時に寝て、またもや嬉しすぎるのか、ソワソワしているのか午前3時に目を冷ます。自転車を組立、4時にホテルをでる。
毎回、旅の初日はうまく眠れない。
まだ外は真っ暗だ。
実は二年前、広島から鹿児島まで走った時、ずっと3号線の終点地点まで行って写真を撮ろうと思っていたのだが、桜島を見た途端、すっかりそのことを忘れてしまった。
なので、今まずは回二年越しでの3号点の終点地点に行って記念撮影。
3号線の終点地点のすぐ近くに、教科書でも見たことのある西郷さんの銅像がある。せっかくなのでそこでも記念撮影。鹿児島は過去に何度か来たことがあるけど、ここに来るのは実ははじめて。
桜島フェリーに乗って、二年前のゴール地点の桜島に向かう。
桜島フェリーは1時間に一本と本数は減るが、一晩中動いている。
自分が乗り場に行ってみると、まだ車も一台も来ておらず、一番前に並ぶことになった。
フェリーの中では、桜島フェリー名物のうどんを朝食にとることにした。
これ前回来た時は混んでて、全く食べれなかったんだけど、今回は食べているの自分とトラックの運転手のもう一人だけ。
このうどんは長渕剛が好きならしくそれで有名になったと、前回来たとき鹿児島の友人が教えてくれた。
5時40分、桜島到着。
雲がかかっているけど、あいかわらず存在感は強い。
朝早いので、ほどんど車も通っていない桜島の溶岩道路。
いつものことだが、朝早い誰も走っていない道路の一番のりで走るのは本当に気持ちいい。
この自転車旅の中でも、もっとも好きな瞬間かもしれない。
桜島全体が見れるところで記念撮影。
砂防から見た横桜島。
鹿児島湾も穏やかだ。
桜島って観光地で山があるだけなのかと思っていたけど、裏側に来ると普通に家がたくさんあって生活している人がたくさんいる。なので、小学校、中学校もある。
太陽がのぼり、海が開けて来た。きれいだ。
裏桜島というべきか。辰崎というところ。
なんか山が生きているいる感じがすごい。
「今は黙ってたってるけど、やるときゃやったるで、おらぁよう」という感じ。
(関西弁ではないと思うけど)
桜島の端まで来ると、九州最南端部もうっすらと見える。
あれは佐多岬か。今回は時間の都合で佐多岬はまわらないけど。
桜島を抜けて、国道220号線で鹿屋に向かう。
実は今回の旅まで桜島って船でしか行けない完全な孤立した島と思っていたんだけど、南東部はこうやって陸続きになっている。
後ろを振り向くときれいな裏桜島。
記念撮影。
垂水市。海潟。佐多街道。鹿児島らしいゆったりとした穏やかな街並み。
本城川。
いい天気になって来た。まだ暑くなく、ちょうどいい。
道もきれいで幅も広く走りやすい。脇に花が植えてあるところが、なんだかほっこりして、とてもいい。
宮脇公園。アコウ並木。このあたりもいいところだな。
海も穏やかで気持ちいい。
垂水市もそろそろ終わり、次は鹿児島の一番東端の鹿屋市に。
鹿屋市は哀川翔の出身地で一部の男性には有名なところ。
(大昔、哀川翔の自伝を読んで感動したことがある。)
そろそろ鹿屋だなあ、と思っていたら、パチンコ屋の看板で哀川翔が出迎えてくれた。
佐多岬への別れ道。佐多岬への道はかなりアップダウンが激しく過酷らしい。いつか行って見たいとは少し思う。
別れ道を220号のバイパス方面に。バイパスは自転車でも走れる。
鹿屋市に突入。
バイパスは登り道に。なかなかのぼります。
時刻は8時30分。すでに太陽も本気出して来た。
大阪はだいぶ涼しくなって来た9月といっても、ここ鹿児島はまだまだ夏。
それでも先月の灼熱の山陰に比べるとずいぶんマシだ。
バイパス。かなり新しい道なのかとても走りやすい。
緑の多いところ。
気持ちのいい田園風景が続く。
そして長い長い下り坂に。
夏草のとてもいい匂いが充満している。
鹿屋市街に。
自衛隊基地前の鹿屋タワー。
鹿屋は坂の多い町。ほとんどの道が登っているか降っているかという印象だった。
鹿屋のメインストリートあたり。
串良。まだ山間部。アップダウンがそれなりに続く。
串良橋。いきなりきれいな田園風景が現れた。
大崎町。しばらく代わり映えのないありきたりな田舎の風景が続く。早く海に出ないかなと思いながら走る。
しかしこのあたりどこかに似ているなと思ったら、山梨県に似ていることに気づく。
長野から山梨に入って山間部をひたすら坂で下るところがあったんだけど、そこに極地的にとてもよく似ている。
やっと海沿いの町、志布志に抜ける。まだ海は遠くにちらりとしか見えない。
この志布志はなかなか栄えた町だ。
しかし、ジョイフルとドラッグストアコスモスを見たら、九州に来たなあという感じがする。九州の国道といえば、やたらこの2軒がどこにでもある。
権現橋。
なんとなく印象的な橋だった。
自転車旅でなければ、こんな小さな橋は印象に残らないんだろうなと思う。
夏井というところで、またもやバイパスへ。
タグリ岬というところで、やっと海が近くに見えてきた!
きた、海ー!太平洋!
波がすごい!
風は大したことないんだけど、ずっと白波だっている。
来た宮崎県!
実は宮崎に足を踏み入れるのは人生初。
そして、グッバイ鹿児島!
基本、ここからはずっと海沿いを走るのだが、高松付近では道路と海の間に高い木がずっとあるので海は見れない。ただ止まると、波のゴオーという海鳴りの音が、木を越えても聞こえて来る。
福島川。
海が近い河口部なので、とても大きい。
串間というとてものんびりして気持ちのいい町。
気分良く走っていたら、都井岬に行く道を通り過ぎてしまった。
2キロほど戻る。
串間の案内所。なぜか広電のチンチン電車が置いてあった。
ここから都井岬方面に向かう。
途中にあった串間温泉。もちろん入らないけど。
都井岬に向かう道はなかなかアップダウンが激しい。
というか、普通にどんどん峠を登って行く。
これはきつい。そして暑い。
結構、のぼる。
峠の上にある都井トンネル。
暗くなかなか不気味。ライトがないと中間あたりは漆黒の闇だった。
しかも車の量は多く、注意が必要。
集落があった。都井中学。まさにリアル天然コケッコーの世界。
ここから都井岬に向かう道がきつかった。
10%、12%の急勾配が続く。流石に漕ぐのはやめて、自転車を降りて押して歩くことに。
途中、都井岬の先端の牧場に寄り道しようと思ったけど、寄り道でこの勾配坂を7キロ近く登って、また戻って来るのはちょっとキツイということで、今回は岬の先端に行くのは諦めた。回り道なしでストレートに行くことにする。
しかし、それでも急勾配の坂が続く。
自転車押して歩いていても、息が上がるほどにしんどい。
事前に読んでたいろんな人の自転車ブログでは、このあたりの坂は急とは知っていたけど、まさかここまでとは。あまり経験したことのない急勾配。
でも、坂を登りきって見ると絶景が待っていた。
宮之浦が見える。
恋ヶ浦トンネル。587m。明るくきれいなトンネル。
坂を一気に下ると恋ヶ浦。
確かに激しい恋のような波だ。
恋ヶ浦にはサーファーが数人いた。
なんか初めてサーフィンが楽しそうに見えた。こんないい景色のなか、人も少なく、こんなに見事な波が来ていたら最高なんだろうな。
さらに坂をのぼると、絶景の海が広がった。
なんつう海の色だ。
車も少なく、最高の道だ。
後ろを振り向くとこんな景色。
自転車をおりて記念誌写真。
なにこれ、宮崎、最高かも。
宮崎、本気出してきやがったな。
文化猿の島、辛島。
と、気持ちよく海沿いの道を走っていたら、おっと通行止め看板!
日南への迂回路は県道で山道の峠超えになる模様。
それなりの峠道だったけど、海岸線に比べるとほとんど影の道だったので、いいクールダウンになった。
南郷の港。
このあたりからちょっと時間が気になってきた。
秋の旅は日が暮れるのも早い。
南郷駅前で国道220号に戻る。
ここから宮崎市まで残り60キロだ。
油津漁港。
油津の町。
海沿いの道に再び出る。
風はそんなにないのに波は激しくなった。日南立石海岸の手前。
すっごい波を横目に、220号を走って行く。
道もきれいだし、このあたりからスピードを一気に上げる。
とにかく暗くなる前に、距離をかせいでおきたい。
できれば観光地の青島までノンストップで行って、明るいうちに青島を見たい。
トンネルも増えてくる。
新鵜戸トンネル、875メートル。柵ありの安全な歩道はある。
道はきれいで走りやすく、路肩は広い。段差もあまりない。
今は追い風なのでかなり快適。
走りやすさで言うと、全国で今まで走ってきた道の中でも1、2位を争うほどいい道かも。
サンメッセ日南。モアイ像!
日南富士トンネル1387メートル。安全な柵付歩道もあり。
かなりスピードをあげて走ってきたので、ちょっと疲れる。
左手の山側をみてちょっとほっこり休む。
堀切トンネル。
この堀切トンネルの中がずっと登りで、車道を走ったこともあり、かなり体力を消耗した。
堀切トンネルを抜けると、青島が近い。
ここでバイパスを下りる。
バイバスをおりてしばらく走ると青島に到着。
今日は初めての観光地。
なんとか明るいうちに青島に着くことを目標にしていたので、明るいうちにつけて良かった。
かなりの観光地で人も多い。
おだかや風と波の音がとても気持ちい。
サーフィンしている人もいる。
弥生橋で記念撮影。
鬼の洗濯板だっけ?
数分だけほっこり。
きれいな夕焼け。今日も暮れて行く。
今日もよく走った。いい日だったな。
今夜の宿の宮崎市まではあと17キロ。
もう日暮れ覚悟で、ここからはゆっくりと行くことにする。
夕暮れの青島バイパス。
とってもきれいだ。
このあたりから宮崎のことが大好きになりはじめる。
旅行にくるにはほんといいところだ。
昔、新婚旅行のメッカだったのもわかる気がする。
清武川。
ここから真っ暗なバイパスをライトをつけて走る。
結構コウモリが飛んでいた。(一度、コウモリに胸に体当たりされて、ちょっとびびった。)
宮崎市内に入って、コンビニでラスト休憩。
暗くなると一気に今日の疲れが出てきた。
もうあとたった5キロほどなんだけど、その距離がしんどく感じるほど。
コンビニで休憩していると、すぐ隣の公園でお祭りをしているらしく打ち上げ花火が上がった。今日1日の走行への祝福の花火に感じなくもない。
大淀川を超える。宮崎市内は流石に大都会だ。
20時、宮崎市内のホテルに無事到着。
走行距離199.8キロ。200キロまであと200m足りず(笑)
人生初の宮崎はほんといいところで、もうすでにもう一度来たくなっているほど。
近くのファミレスで夕食をとって、就寝。
さて、ここからはちょっと余談!
実は今回の旅に行く前にホテルは事前予約せずに、その日の都合で当日ホテルを取ろうと思っていた。宮崎、大分だしそんなにホテルがいっぱいになることはないだろうと、たかをくくっていたわけだ。
でも、一週間前念のため宮崎市内の空室状況を楽天トラベルで調べてみると、全然空きがない!なんとか1軒だけ、しかも東京の高級ホテル並の値段で一部屋だけ空いているだけ。名前は聞いたことないけど、野宿は嫌だと仕方なくここを予約。
この値段だし、多分今日は相当いいホテル、それこそスウィートルームのようなところに泊まる気分でいた。
それこそ坂がきつくても、太陽が照りつけても「今日はめっちゃいいホテルに泊まるんだし、俺がんばる!」てな感じで、それを励みに自転車を漕いだという部分もちょっとあった(笑)
でも、ついてみると、普通のビジネスホテル。いや、決して悪くはないきれいなホテルなんだけど、この一泊の料金とは思えない感じ。昨日の鹿児島のホテルもそれなりのビジネスホテルだったんけど、今日は5倍ぐらい払っている。でも5倍の差は感じず、なんだか変な気分。宮崎のホテルってほかと相場が違うのか?なんか変な感じだ。
おかしいなと思いながら、ホテルに入ってみると、やっとその理由が判明。
なんと明日の昼間、シーガイアで歌手のコブクロの結成20周年記念の大きなライブがあるとのこと。その規模5万人。それで宮崎中のホテルがほぼ満杯になっているとのこと。これ、地方でたまにあるやつだ。
ホテルに入ると、ロビーでもコブクロの音楽が大音量で流れていたり、明日のライブに行く人のためにパンやおにぎりを準備したりして、ホテル中がライブを盛り上げようとしている。そして、お値段もそのままプラスオンと。
いやー、参りました。
地方に行くときは、ちゃんと大きなライブがないか調べる必要がありますね。
コブクロって自分と同じ大阪のミュージシャンと思っていたけど、小渕さん(ギター持ってる方)が宮崎出身だったとその時初めて知りました。小渕さんは大阪マラソンでも2度ほど一緒で、ハイタッチも一度したことがあるので、今回も一緒で少しだけ不思議な縁を感じました。
(旅10鹿児島-大分編DAY1)鹿児島中央-宮崎市 199.8km
[ニホイチ旅全トータル 32日目5195.1km]
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