ニホイチ旅35日目 (旅11宇佐-長崎DAY1)宇佐市-北九州市-福岡市博多
金曜の夕方、仕事が終わるとすぐに新幹線に飛び乗った。
そして1ヶ月ぶりにまた九州の小倉に戻ってきた。
3ヶ月連続で乗り換え駅となった小倉駅。もはや自分の駅という感じすらうける。
ここで新幹線から特急スーパーソニックに乗り換えて、先月の旅の終ゴール地点宇佐へ再び向かう。乗り換え時間が1時間ほどあるので、一旦小倉駅の外に出て夕食をとった。
先月の旅から今回の旅の間に気になるニュースがひとつあった。
大阪の富田林刑務所から脱走した逃走犯が、自転車日本一周を装って逃げていたというニュースだ。なんとなく、同じく自転車日本一周旅(こま切れだけど)している自分としては、あまり心象が良くない。またこの逃走犯と一緒に旅をしていた40代の男性という人もいて、このニュースが出たとき自分の友人の何人かは、それが私ではないかと一瞬気になったそうだ。
この一緒に行っていた人は私ではありません(笑)念のため断っておきます。
さて、小倉駅で乗り換え待ちの時間に夕食を済ませ、新幹線からスーパーソニックに乗り継ぎ、宇佐に到着。宇佐に着いたのは21時過ぎだったが、駅の周りはもう真っ暗だ。
先月のゴール時にお世話になった立ち寄り湯みずほの湯がとてよく、宿泊もできるとわかったので、今回もこちらこのみずほの湯で前泊からお世話になる事にした。
女将さんは一ヶ月前、鹿児島から汗だくで走ってきた自分の事をよく覚えていてくれていて、「あら、また来てくれたの」と笑い、前回とは違う貸切湯に案内してくれた。
風呂から上がって、自転車を組み立てていると、ご主人がこの辺りで自転車で行くといい観光地のパンフレットをたくさん持ってきてくれた。さらに組み立てた自転車は玄関の中で預かってくれるという。
人と交流すること少ない自転車旅では、とても貴重な交流で思い出の宿となった。
夜明け前の朝、5時30分。スタート。
気温は11度と10月中旬としてはかなり寒い。
昨日の夜はやはり興奮してあまり眠ることができなかった。
今回の旅は九州編最後の旅となる。この大分県宇佐をスタートして、福岡、佐賀を通り長崎まで行く予定。
宇佐は神輿の発祥の地でもあるらしい。
自転車を漕ぎ出すと、かなり寒い。顔に当たる空気はかなり冷たく、吐く息はすでに白い。先切り手袋の指先もかじかむ。たった一ヶ月はあんなに暑かったのに。この時期の季節の進むスピードに驚く。まあ、この間に台風2つも来たしね。
いい天気になりそうな、夜明け前の空。
すぐに宇佐神宮に着いた。
まだ誰もいない。参拝は今回はやめておいた。
寒いし、宇佐神宮前のコンビニで朝ごはんを食べる事にした。
コンビニを出るとすっかり明るくなっていたい。国道10号で中津へ向かう。
6時40分。日の出。きれいな朝だ!まん丸の太陽が昇ってきた。
駅館川。
天津。この辺りで10号線が広くなり走りやすくなる。
宇佐市を出るとこにはでっかい自由の女神像が。
最後までUSAのこだわり!
Good-bye USA ! また来ます。
中津市へ入る。青空が広がる。
中津市街地。せっかくなので唐揚げの聖地のこの中津で唐揚げ定食を食べたいんだけど、まだ朝7時代、さすがに空いてない。
7時45分、中津駅に到着。
せっかく初めてきた中津。少し観光する事にする。
まずは福澤諭吉旧居。
実は勉強不足のため、福澤諭吉が中津にいたという事を、今日初めて知った。
こちらが宅跡。
こちらが門構え。まだ営業時間前で入れない。
別に神社じゃないけど、拝んでおく。
「福澤先生、大好きです。ですので、わたしの財布にいつでもたくさんでお越しください!」なんて。
中津川。海が近いので開放的で気持ちいい。
中津城。小さいけど、かっこいい。青い空に黒が映える。
城のすぐ裏にある中津神社。
これまた勉強不足のため、中津城の城主が黒田官兵衛であった事を今日はじめて知った。
中津市小学校。小学校とは思えない門構え。
なんでも「学問のすすめ」はこの小学校の子どもたちに書かれたものらしい。由緒ある学校なのだ。
もう一度拝んでおこう。
「大好きなので、ぜひたくさんおいで・・・・」
山國川。旅情をそそるいい川だ。
いつの間にか中津市を抜けて、福岡県豊前市に入っていた模様。
県境の標札を見落としてしまったな。残念。
というわけで、さよなら大分県。
海が見えて来た。
そういえば今日はスタートからずっと追い風だ。楽々。
今やっている朝ドラのモデル・・・ではない。
築上町。10号線。細い道なのにトラックが多く、結構こわい。走るのに気を使う。
景色はひらけている。
コスモス畑の向こうに、九州名物ドラッグストアコスモス。
豊前、行橋と福岡県に入って、ザ国道という道に入って、車も渋滞し始める。やはり福岡県は都会だ。宮崎、大分とはかなり雰囲気が変わる。
そして、福岡に入ってからやたら焼肉屋が多い事に気づく。
北九州市に入って、まだ11時前だが早めの昼食を取る事にする。
昼食は前回の旅からの念願であった唐揚げ定食に(実は前回ゴールの地の宇佐で食べたかったんだけど、ありつけず)。本場の大分ではなく福岡に入っちゃったけど。
延岡のチキン南蛮定食、臼杵のとり天定食とこれで東九州三大とり肉定食を制覇!
美味しかった。
下曽根。10号線の旧道に入ったらしく、かなり混んでいて走りにくかった。
小倉到着。
自転車旅ででここにくるのは2年ぶり2度目。
前回は福岡から鹿児島に向かう旅で、その時は内陸を走る3号線でここから博多を目指した。今回はこのルートを通らず海沿いの495号線ルートで博多を目指す。
前回は土砂降りの大雨に見舞われて、どうにもこうにも行かなくなった。
今回はリベンジにふさわしい快晴だ。
勝山公園。松本清張記念館があって、とても興味があったけど今回はパスする。
いつか来てみたい。
戸畑区。九州工大前。
戸畑から若松に渡る若戸大橋は自転車通行不可なので、渡船で渡る。
料金は人が100円、自転車50円の150円ととてもリーズナブル。
渡船がやって来た。
伊勢志摩以来。ニホイチ自転車旅、2度目の船移動。
楽しげ!わくわくする。
若戸大橋をくぐる。
はやー!爽快!快適、快適。
乗船時間は5分ほど。あっと言う間に到着。
若松側はちょっとだけレトロなムード。
こちら側は車も少なく、海が近いので工場群が多い。
川崎重工のコンビナートがすぐに見えた。
うーん、なんだか南港や六甲アイランドを走っているような気になって来た。それらとほとんど見分けがつかない景色。
途中、ひびきコスモス公園とあったので、コスモスの花がいっぱい咲いているのかと寄って見たら、コスモスは一輪もなくソフトボールのプロリーグの試合をしていた。
九州ってマンションや公園とかやたらコスモスの名前を使う気がする。何かあるのかな。
再び485号。信号もほどんどなくなって来て、道も広くきれいだし、ずいぶん走りやすくなって来た。少し遠回りになるかもしれないけど、交通量の多い3号線よりこちらの方がいいな。
ほとんど車も走っていない(土曜日というのもある)し、追い風ずっとキープだし、まるで高速道路状態。一気にワープする感じだ。
右に響灘太陽光発電所。
岩屋。やっと景色のいい海にでた。福岡県にこういうところがあるんだな。
ちょっと寄り道して遠見ケ鼻に行こうとしたら、なかなか厳しい看板を発見!
遠見ケ鼻。これは気持ちいい。
妙剣埼灯台。白が青に映える。
すぐ隣にある岩屋港。とても静か。
釣り人が幾人かゆっくり釣りをしているだけ。
岩屋海岸。ここもきれいなところだ。
子ども連れの家族が海辺で遊んでいて、小さな子どものはしゃぐ声が聞こえる。
聞いていると、うちの子どもが小さかった頃を思い出して、早くも少しだけホームシックになる(笑)
海岸に沿って、短いけどサイクリングロードになっている。
サーファーの姿もちらほら。
そして写真では小さくてわかりにくいが、ウェデイングドレスとタキシード姿で写真を撮られている男女を発見。サーファー同士の結婚写真かな。いいなあ。
しばらくこの岩屋海岸で休憩をして、かなり癒された。
海岸を離れ走り出すと、すぐに一面のキャベツ(?)畑が。
芦屋町。相変わらず車もほとんど走ってなくて、超絶快適な走り。
遠賀川を越える。この川越えるのも2年ぶりだけど、ほんと大きい。
川というより湖だな。御牧大橋の上から。
芦屋ボートレース場。ここの名前は関西人の自分でも知っているほど有名。賑わっていた。
岡垣町。
本日唯一の峠越えとなる、垂水峠。ちょっとばかしハード。
ぐんぐん登っていく。
峠終了!ここから下りだ。
峠を登っている際中、ずっと法螺貝を吹くような音が聞こえていて、頂上につくとやはりそこで法螺貝を吹いている人がいた。しかも女性。練習をしているようだった、
宗像市に入る。とても走りやすい道だ。
前回も思ったけど、宗像って意外に山間。福岡にはいろんな顔があると思う。
道の駅むなかたにピットイン!
今日初めての道の駅。
かなり人気のある道の駅らしく、たくさんの車と人で賑わっていた。
あとから聞いた話だと、この道の駅内にある市場のある魚介類や野菜なんかは、朝の相当早い時間に行かないと売り切れてしまうほど人気の道の駅らしい。
釣川。
福津市に。
田んぼがきれいだ。
この福津市は福間町と津屋崎町が合併して最近出来た市とのこと。
どうりで聞きなれない市の名前だと思った。
ここのあたり、いい感じの田舎でとても気持ちがよい。
道も段差なくて走りやすく、スイスイといく。
津屋崎海岸。波の音が気持ちいい。
ちょっとだけ自転車を降りて休憩。
古賀市に入った。車の量が一気に増えた。それなのに道は狭く1車線に、一気に渋滞がはじまった。福岡市はもうすぐだ。
どうやら福岡市に入った模様。
ちょっとだけ寄り道して西鉄香椎駅に。
ここは松本清張の大傑作「店と線」の舞台になったところ。
西鉄の香椎駅とJR(当時は国鉄)の香椎駅が重なるようにあり、それがトリックの一種にもなっていた。書かれた当時はすごい寂しい場所として描かれているけど(まあ心中場所だし)、今はそのかけらもないほど栄えたまちだ。
JR香椎駅のほうは大がかりな工事中だった。
原作では香椎駅の前にたしか果物屋さんがあって、刑事が聞き込みをするんだけど、ほんと駅前に果物屋さんがあった。
まあ小説とは違うところのような気はするけど。
秋の夕暮れは早い。5時前でももう薄暗くなってきた。
来た来た、博多区!
大都会だな。
そういえば、昔のヒット曲クリスタルキングの「大都会」は東京の事ではなく、博多のことだと聞いたことがある。
博多は観光客も多く大賑わい。
今日の宿は中洲のど真ん中のビジネスホテル。
ホテルの裏には屋形船が走る。宴会しながらカラオケをしているようで山口百恵を歌っていた。とんこつラーメンのいい匂いがそこら中に漂っている。博多にきたなあという感じだ。
博多には研修仲間の友人がいて、今日自転車でくるということで焼肉屋で数人集まってくれて歓迎会を開いてくれた。
久しぶりに会う友人たちとで賑やかな夜になった。
自転車旅の夜は、ほぼ毎回、寂しくひとりぼっちなので、こういう友達とワイワイやる夜が新鮮で楽しかった。集まってくれたみんな、ありがとうございました。
なんか感慨深いものがあった。
断酒も続いているし、明日もハードそうなので二次会は辞退したけど、久しぶりにみる博多のネオン街は本当に楽しそうだった。博多ってほんと熱量のようなものが高い。
今日の昼間ヤフオクドームで、クライマックスシリーズがあり、ホークスが快勝したらしいので、なおさら盛り上がっていたというのもあるけど。
かなり名残惜しく、後ろ髪を引かれたがホテルで早めに眠った。
ニホイチ旅35日目 (旅11宇佐-長崎DAY1)宇佐-北九州市-博多 164.5km
[ニホイチ旅全トータル 35日目5719.0km]
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