ニホイチ旅37日目 (旅11宇佐-長崎DAY3)佐世保市-長崎市
九州北西部の旅、3日目。
佐世保の朝。
佐世保は昔からとてもとても来たかった場所のひとつ。
というのも佐世保は作家・村上龍の出身地で、高校生の頃、自分は村上龍の大ファンだったのだ。
ちょうど高校1年生の時、村上龍の高校時代を書いた半自伝小説の「69」という小説が発売されて、それがバイブルのような時期があったのだ。
その小説を読んだ当時のことは今でも覚えいる。確か高校1年の夏休みに入る直前に発行されて(考えて見るとこの小説の中の重要な出来事の一つバリ封も夏休み1日目だから発行日も狙っ他のかな?)、発行日にすぐ買って読みはじめると、もう止めることができず、寝食も忘れて一気に1日で読んだ。それからことあるごとに何度か読み返し、若い頃は、かなりの影響を受けてしまった。
まあ、全く勉強しなくなってしまったので、いい影響ではなく悪い影響かもしれないが(笑)でも、それで結構、楽しい方の人生になったのではないかとも思っている。
昨日の夜は、その村上龍とこの小説の舞台となった佐世保北高校で一学年下だったという人と一緒に飲んで(自分はノンアルコールだが)、当時の裏話的な話をたくさん聞くことができた。いやあ、贅沢な夜だった。面白かったなあ。初めて来た佐世保がとっても短かになった。Yさん、ありがとうございました。
(ちなみにこの69、宮藤官九郎脚本、妻夫木聡主演で映画化しているけど、これはかなりがっかりな内容で・・・。興味のある方はぜひ小説を読んでもらいたい。)
今日が九州旅の最終日。残り100キロちょいということもあり先を急がず、せっかくなので朝は佐世保市内を観光することに。
まずはやっぱり、69のメイン舞台。佐世保北高校に。
Yさんが言うには、校舎は建て直しをして中高一貫校になったらしいが、見た目外観は当時と全く一緒とのこと。ここにバリ封の垂れ幕がかかったのか。
今は、バリ封の垂れ幕ではなくて、つい最近直木賞を獲った卒業生佐藤正午のお祝い幕が。
村上龍は芥川賞をとっているので、この高校から芥川賞と直木賞との両方の作家が出たことになる。さすが九州でも有名な進学校である。
今日は平日の月曜日。進学校らしく、まだ6時すぎだというのに生徒が続々と登校してくる。さすがだ。
学校の前の道は急な坂になっている。
Yさんに聞いたところ、最近映画であった「坂道のアポロン」もこの高校が舞台らしい。名前の通り、急な坂道。
佐世保といえば、米軍基地。
米軍基地の鉄条網。映画で妻夫木聡がここ走ってたような気がする。
佐世保港。軍港らしく軍艦が並んでいる。
朝の訓練か、激しいラッパの音が聞こえた。
前畑倉庫群。
佐世保赤煉瓦倉庫群。
69のラストのフェスティバルをした倉庫というのを見てみたくて、Yさんに聞いて来てみた。ちょっと迷ったけど。
この場所はたしか映画でもロケに使われていたな。
高いところに建っているのでたら目についた、カトリック三浦町教会。
佐世保の町のシンボルとも言える。
なんだかかんだで、佐世保観光で2時間以上使ってしまった(倉庫を探すのに手間取ったというのもある)
もう、8時過ぎ、平日の朝らしく通勤にむかう車も増えて来た中、佐世保をでる。
しかし、佐世保も坂ばっかりだ。
と、ジャパネットたかたの本社発見。
そういえば佐世保の会社であったことを思い出す。
早岐というところ。運河が流れる。風もなく川面も静か。
ハウステンボスが見えて来た!
ハウステンボス到着。
入場券がないと中には入れないが、外の門からこれくらいの覗き見はできる。
ここも外から見ることが出来る。
ハウステンボスを通り過ぎると、江浦湾。
静かだ。小鳥の声と風の音しか聞こえない。
車も人も誰もいない。
国道202号に再び戻る。針尾の峠。なかなかの峠。景色はいい。
峠の下り道、遠くに三本の煙突のようなものが建っている。写真では小さいが、実際はとても大きくかなり目立つ。
フェイスブックで、リアルタイムで写真をあげているので、それを見た佐世保のYさんから「針尾無線塔」と教えてもらった。大東亜戦争の真珠湾攻撃開始のとき「ニイタカヤマノボレ」を打電したところなんだとか。ふむ。
秋祭りの一行を見かけた。ほっこりするねえ。
西海市へ入る前に記念写真。
西海橋を渡る。
橋の上、なかなか絶景。
もう1枚。
この日はフェイスブックを見ているYさんが、リアルタイムでかなり案内をしてくれる(笑)西海橋を渡ってすぐにある魚魚市場のたい焼きは必ず食べろというので、寄ってみる。
これ、あんこぎっしり。
甘みが疲れた身体に染み渡る。
西海市は海沿いの202号線を行かず、ショートカットして峠道の県道43号を行くことにした。
これがかなりの峠道!かなりキツイ。今回の旅一番だな。もう山登り!
道の駅さいかい・みかんドームにピットイン。
この峠でかなりの体力の消耗。
疲れた。ここから下りになってくれ!!
おっしゃ、下り!
海に出た。七釜港あたり。
久しぶりのトンネル板浦トンネル。まずまず長い。
西浜。開放感がある。
この辺りから角力灘沿いの海岸線。アップダウンが激しくなる。
でも、景色はめちゃくちゃ綺麗になってきた。紀伊半島の熊野あたりと近いかもしれない。
先まで道がずっと海岸線であるのが見渡せる。
いい道だ。車もほとんど走っていない、天気は最高。
・・・最高なんだけど、とにかく坂がすごい。
このアップダウンの連続は今までのニホイチ旅の中でも一番だろう。
紀伊半島の三重の海岸線のアップダウンもきつかったけど、それ以上だろう。
しかも三重と違うのはひとつひとつの登りが長い。
とにかく登りと下りの繰り返し。
登ると絶景が見える。
しんどくても、いい景色見したるからホレ登れ!と何者かに言われている気がしてきた。
赤、白、青と3つの橋が順番に架かっていた。全部写真撮ればよかったな。
撮ったのは最後の青だけ。とても印象的な橋の色の連続だった。
もうずっと景色がよくて、全部写真に残しておきたい気分だ。
遠藤周作の小説「沈黙」の舞台とういう出津の街。
大学生の時、女友達で遠藤周作のファンという子がいたんだけど、その子に「沈黙は絶対に読め」といわれて、読んだんだけどたしか途中で重すぎて読むのやめちゃったんだよな。
沈黙の碑も見にきた。
「人間がこんなに哀しいのに 主よ 海があまりに碧いのです 遠藤周作」
この言葉、なんかすごく刺さった。
**後日、旅から帰って、この沈黙の 碑とこのあたりの景色がとても心に残ったので、20数年ぶりに「沈黙」に再トライしてた。。度は一気に最後まで読んだ。すごい 小説だった。ただただ凄すぎた。この旅に行って、この本を読んでよかったと思った。
またもや急勾配の道に。
はああああ、とにかく登る。もう脚がパンパン。今日の坂はちょっと半端ない。
坂の途中で振り返って見た出津の町。
道の駅、夕陽丘そとめにピットイン。
道の駅の裏の景色。写真ではうっすらとしか見えないが、遠くに長崎の工場地帯が見えてきた。
道の駅は遠藤周作文学館が併設。
入りたいが、時間がかなり足りないのでパスすることに。。。。
しかし、いい景色だ。
水平線だけ。
夕陽の名所でここに陽が沈むらしい。見てみたいな、沈むところ。今日は無理だけど。
ここでついに202号線は、長かった海岸線をやっと離れる。
久しぶりにコンビニ発券。
ゴールまであと20キロほど。最後に大きな峠があるのでその前にちょっと休憩。
畝刈という町。
畝刈で202号を離れ、県道28号の滑石峠へ。
今日さんざんアップダウンを繰り返し、すでに完全に脚が売り切れのところで、この滑石峠!いやあ、これはかなりきつかった。最後は自転車から降りて歩いて押しながら
登った。
峠の上には滑石トンネル。暗くて細い、でも距離は短い。
このトンネル抜けたら、一気に下り坂!
やった!下り坂!
坂の向こうに 大きな街が見える。長崎市街だ!ゴールは近い。
おっしゃ!長崎の街に降りてきた。
ここきて見たかったんだ。平和公園。
来たね。長崎にきたって感じだ。
うん、今回のゴールを長崎にしてよかった。
17時、とりあえず長崎駅に到着!!
実は朝は15時に到着する予定だった。2時間オーバー!
こんなに時間がずれるのってかなり珍しい。それだけ、今回の坂のアップダウンが想定外だったということ。
とりあえず、大阪までの切符を取りに行く。一番遅い時間にしてもらうと、長崎19時発とのこと。なんとか2時間ある。片付け時間を1時間みたとして、1時間だけ観光できる。
というわけで、1時間で自転車で長崎駅周りにある観光地をざっと回ることに(笑)
まずは出島跡。
長崎チャンポンの発祥地といわれる四海樓。
ほんとは時間あれば、ここでチャンポン食べたかったー!
グラバー園。時間ないので、ほんと入り口だけ。
新地中華街。
眼鏡橋。
以上、大急ぎ観光終了(笑)!
ほんとは龍馬関連も回りたかったけど、長崎はもう絶対もう一回くると決めたので、今回はここまで。
長崎駅に帰ってきて、大急ぎで自転車を片付けて、シャワーは浴びれないので、ボディーシートで全身を拭いた。
電車まで50分、残ったので、駅前のファミレスだけど長崎ちゃんぽんになんとかありつけた!
ひとくち餃子と角煮も。ノンアルコールビールで一人乾杯。
今回の旅も無事。最後までゴールできた。最高のひととき。
長崎から福岡までは特急かもめで。
18時53分発、博多で新幹線に乗り換えて、大阪23時37分着。
こんな時間に出て、大阪に今日中につくなんて、長崎って意外と近いなと思ったりした。
最後に、カモメの中でリアルタイムでFacebookにあげた生の投稿をそのまま掲載します。いやー、今回も最高の旅だった。幸せ。
予定時刻より3時間遅れで、無事、ゴールの長崎駅に到着いたしました。
今日は距離がないので、まあ昼過ぎには着いてゆっくり長崎市内観光でもと思ってたんだけど、とんでもない。夕方になってしまいました。それほど長崎の坂は半端なかったです!もう三重県超えたかもしれない。自転車に優しくない県、暫定一位に認定です(笑)
でも「自転車に優しくない」イコール「絶景!」でもあるので、これも三重県同様、絶景の海を堪能させて頂きました。また今回の旅で、九州全県を走ったことになります!(九州一周とは言い切れませんが)
日数にして9日、総トータル距離1,377キロ。九州はやっぱりでかかったですね。
これでとりあえず名残惜しいけど九州自転車旅は一旦終了。
いや、でもほんと楽しかった、実際に自分の脚で走ってみてリアルに九州が身近に感じられるようになりました。九州の人は温かく、人懐っこい人が多かったです。よく話しかけられるんですよね、なんか九州は。
そして、美男美女がほんとに多い(キッパリ)!長崎到着後、一時間でざっと観光を済ませ(笑)、今から4時間半かけて大阪へ帰ります。
今年の自転車日本一周旅はたぶんこれでおしまい。来年は四国一周と糸魚川で止まっている日本海側を秋田まで延ばしたいと思っています。
↓帰って、今までの旅の距離をトータルして見たんだけど、なんと5999.9キロ!!
6000キロに100m足りず(笑)まじか、こんなことってある!??
ニホイチ旅37日目 (旅11宇佐-長崎DAY3)佐世保市-長崎市 117.5km
3日間トータル 445.4km
[ニホイチ旅全トータル 37日目5999.9km]
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